社長からのメッセージ

当社と取引を希望されるメーカーさんや仕入先さんに

ある本を読んでいたら「気が利く人は、目の前の人を『一番大切な人』として接する」逆に「気が利かない人は、目の前の人を『大勢のうちの一人』として接する」と書いてありました。

私自身は、前者の「目の前の人を『一番大切な人』として接する方だと思います。
そして好き嫌いも激しい方なので、好きになると、とことん尽くすタイプです。

私は四十数年前に事業を始めようとした時、妨害を受け、売り先も仕入先も全くない中で事業を始めました。
県内では全く仕入ができなかったので当初は、石川県、福井県まで行き、現金で商品を分けてもらっていました。

知人の紹介で車庫の2階を借り、事務所にしましたが、電話も1本もかかってこない、人も誰もやってこない有様で、四十数年経った今でも当時のことが甦ってきて、お客さんやメーカーさんからかかってくる電話や訪問に対し「ありがたい」といつも感謝しています。

私自身は、人を好きになった時も同じようになりますが、人に対し「ありがたい」と感謝できた時に、その人に対し最高のもてなし、あるいは最高のサービスをしてあげたくなります。(私だけではないと思いますが……)
最近、私と絡んでいる社員・メーカーさん、お客さんに対し、一段と感謝できるようになり、社員に対し、メーカーさんに対し、そしてお客さんに対し、私のできる限りのことをしてあげたいという気持ちでいっぱいです。

私自身は、全社員が暮らせる前提にはなりますが、お客さんを満足させるだけの品揃えができるメーカーさんがあれば、1社だけで良いと考えています。

そのメーカーさん1社だけにすれば「そのメーカーさんに集中できるだけでなく、そのメーカーさんを最高に喜ばせることができる」それが理由です。

しかし、現実にはそういうメーカーさんがないので否応なしに何十社と取引していますが、基本的には「取引メーカーは少ない方が、メーカーさんの分け前も増える」という考え方で事業を行っています。

メーカーさんの身替りと食べる人を含めたお客さんの身替りをするのが問屋、あるいは販売会社の役目だと考えて事業を進めています。
「儲かるから売る」「安いから売る」又、つまみ食いといった事はやりたくないと考えています。

食べる人側に立って、あるいは使う人側に立って、購入する側に立って、商品を選ぶ事を常に心掛けています。
故に、必ず「食べてみる」「使ってみる」「価値のあるものかどうかを他の商品と比較してみる」ようにしています。
そして、食べてみて、使ってみて、比較してみて一番良かった商品をメーカーさんの代わりにとことん普及する事を心掛けて事業を行っています。

「自分が食べたいと思うものを売る」「自分が入りたくなる会社を作る」「自分が利用したくなる販売会社を作る」「自分が任せたくなる販売会社を作る」、こういった足元に転がっているような事を真面目に、そして本気になって実現しようとしている会社です。

最近 気になっているのは、地球のことです。

私は

「食品業界をよくしたい、その為にニッショクが手本になる」

の企業理念を掲げて事業を行ってきました。
しかし、どこかの時点から、私の掲げた企業理念は、特別な事ではなく当たり前のことだと思うようになりました。

食品業界に暮らす人(会社)であれば、食品業界を良くするのは当然の事です。
食品業界をダメにする人(会社)は、食品業界で生きていく資格はありません。

自分の中で暮らしている人であれば、自分を良くしていくのは当然の事です。
自分の家で暮らしている人であれば、自分の家を良くしていくのは当然の事です。
ニッショク㈱で暮らしている人であれば、ニッショク㈱を良くしていくのは当然の事です。
富山県で暮らしている人(会社)であれば、富山県を良くしていくのは当然の事です。
日本で暮らしている人(会社)であれば、日本を良くしていくのは当然の事です。
地球で暮らしている人(会社)であれば、地球を良くしていくのは当然の事です。

ダメにしていく事そのものが自分の首を絞める、つまり自分を、あるいは自分達を『滅亡の道』に追い込むことになると、私は思います。

私自身は、創業当時から約20年近く売上を伸ばせば良い事があると思い、売れればどんな市場にも行き、売れればどんな商品でも扱い、売れればどんな値段であろうが売り、又、365日24時間体制で事業を行っていました。
経営者としても素人、とにかく売れれば儲かるものと思っていました。

しかし 結果は散々でした。商品は山ほど捨て、山ほどの貸倒れも発生させました。又、人も相当辞めました。
そうやった事で 利益でも沢山出ればまだしも「労多くして成果なし」全く儲かりませんでした。当然資金繰りにも影響が出ました。
「負のスパイラル」に完全に入り込んでいたように思います。

そんな状態から全く逆の状態を築いた結果、私自身は、それなりのノウハウを身に付けただけでなく、会社も「グッドカンパニー」と言われるまでになりました。

「どうして そうなったの?」と聞かれたら、私は多分

「自分の中に沢山あった『欲』を少しづつ削ぎ落としていっただけ」

と答えると思います。
つまり私自身が「自利から他利」に変わっていった、あるいは本当の意味で人のことを考えれるようになったということです。

食べる人がいるから、料理を作る人が生まれます。
料理を作る人がいるから、食材を販売する人が生まれ、食材を販売する人がいるから、メーカーが生まれます。

自分が今存在できるのは「社員のおかげ」「メーカーさんのおかげ」「お客さんのおかげ」又「食べる人のおかげ」「家族のおかげ」「富山県のおかげ」「日本のおかげ」そして「地球の存在のおかげ」だということに気付いたのです。

今年も日本では7月に観測史上最高気温41.4度を記録。熱中症による死者や救急搬送の数も過去最高を記録。
一方で 強い勢力の台風が相次いで襲来し、洪水などで甚大な被害が出ました。
世界的にも地球温暖化の影響は出ています。

自分が今住んでいる地球に対し どれだけの事ができるか分かりませんが、私自身は、

  1. 地球に住んでいるという「自覚」を持って生きていきたいと考えています。
  2. 地球あっての人類という考え方で物事を進めていきたいと考えています。
  3. 地球に負担を与えないよう今まで以上に「量」より「質」の事業をやっていきたいと考えています。
  4. 地球側に立ち、地球がされたくない事は絶対しないようにしていきたいと考えています。

私がやろうとしている事がビジネスにおいて成り立つものかどうかは分かりません。
しかし 最低限、私の子や孫の為に、そしてしいては50年後、100年後の地球のために、何もしないでは今おれません。



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